第37回日本小児肝臓研究会

会長ごあいさつ

 第37回日本小児肝臓研究会は2020年6月に開催する予定
でしたが、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響により延期せ
ざるを得ませんでした。この度、2021年(令和3年)6月5日
(土)~6日(日)に改めて開催させていただくことになりました。
会長として努めさせていだけること、大変嬉しく思っております。
しかしながら、COVID-19の影響により世の中が大きく変容し、7月
から開催予定の東京オリンピック・パラリンピックにも少なからず
影響があると思われます。本研究会は可能な範囲で現地開催を目指
しておりますが、皆様におかれましては参加を躊躇される方もいらっ
しゃると思います。できるだけ安全な方法で開催するべくWeb、
ハイブリッド等での開催も検討しており、決まり次第HP上にお知らせいたします。

 ご存じのように日本小児肝臓研究会は、1984年から毎年夏に鳥取県米子市の大山山麓や弓ヶ浜の皆生温泉宿に一泊して、その時々のホットなトピックスについて話し合う勉強会として始まりました(大山小児肝臓ワークショップ)。その後、持ち回りと成り日本小児肝臓研究会として発展してきました。この歴史ある会を千葉で開催できることを大変光栄に存じます。私たちは先天代謝異常症を中心に多くの小児肝疾患の診療を行っております。従いまして本会の主題は「小児肝疾患:分子基盤を解明したその先に」といたしました。次世代シーケンサーや各種生化学検査の充実により、特に代謝性肝疾患の診断や病態解明は大幅に進んできました。中でもミトコンドリア肝症は本会の活発な議論をきっかけに、我が国での診断・病態解明が発展したと認識しています。また、各病態に基づいた治療法への開発も活発になってきております。こうした中で私たちは次にどこに進んでいくのか、何が不足しているのか、など一緒に考えていければ幸いです。病態解明が進んできているミトコンドリア肝症については「ミトコンドリア肝症の総まとめ」というシンポジウムを予定しています。また、ミトコンドリア病を含む希少疾患の診断において世界のトップランナーであるドイツのHolger Prokisch博士に特別講演をお願いし、希少難病の診断や国際連携などをお話し頂く予定です。また、遺伝子診断の「今更聞けないこと」について、順天堂大学の岡﨑康司先生からやさしく解説して頂きます。それぞれが大変奥深い内容になっているのを実感されると思います。

 一般演題も広く募集いたします。各種肝炎、代謝性肝疾患、創薬関連の演題や、原因・治療がわからない症例などありましたら、議論を深めるとても良い機会になるかと思いますので、是非演題を提出されてください。

 会議場は千葉中央駅直結の京成ホテルミラマーレです。ソーシャルな距離はとっても想いは密なスタンスで、肝臓の話をさらに熱く語り合いましょう。一人でも多くの皆様のご参加を心からお待ち申し上げます。

          千葉県こども病院代謝科・遺伝診療センター
                                村山 圭